今回紹介する企業は、おいしくて安全で安心な食品作りを支える、株式会社ハマダフードシステム。株式会社ハマダフードシステムから取締役会長のHさん、従業員Aさん、香川大学からTさん、Iさん、Mさんがインタビューに答えてくれました。
- 1 起業した経緯とご自身のキャリアについて教えてください
- 2 事業内容を教えてください
- 3 仕事をする上で困難だったことは何ですか
- 4 労働環境について教えてください
- 5 学生時代の良かった経験や学生にしておいてほしいことは何ですか
- 6 競合他社と比べた御社の魅力を教えてください。
- 7 御社はメーカー兼商社ということですが、その理由はなんですか
- 8 働く上での楽しさを教えてください
- 9 共に働きたい人物像を教えてください
- 10 現在、日本国内では食品添加物への逆風というものがあると思いますが、実際食品添加物の製造をしている御社の展望を聞かせてください。
- 11 海外進出についてお聞きいたします。
- 12 香川県への思いを教えてください
- 13 最後に学生に向けた一言をください
起業した経緯とご自身のキャリアについて教えてください
最初は、叔父が勤めていた食品加工メーカーから独立し、立ち上げた個人商店から始まりました。私は組織に属し、サラリーマンになることは性に合わないと考え、叔父の仕事を手伝うことにしました。そして、私がその会社を継いだのです。その後は業績を伸ばしていくとともに、組織変更、業務管理をしながら現在は従業員約30名の会社となっています。食品加工資材の業界では中四国No1です。
個人商店からここまで大きくなったのですね!
事業内容を教えてください
当社は主に食品加工資材に関わる事業を行っています。食品加工に必要な調味料や香辛料、品質改良剤、食品原材料、包装資材、分析資材などを広く扱います。具体的には、冷凍食品・うどん・漬物・かまぼこなどにおいて上記の資材が含まれています。また、食品工場の研究室で、優秀な技術者とともに問題解決、新商品提案、品質管理提案をしています。お客様が食べる食品のレベルを上げ、品質を安定させることが仕事になります。他にも、食品加工現場の微生物対策や有害生物の防除をはじめ、食衛生管理や環境整備などを行うサニテーション事業や、日本と海外との食品加工資材の輸出入を行っています。
飲食店やスーパーではなく、御社の技術力を駆使して、食品工場に差別化された商品を届けているのですね!
仕事をする上で困難だったことは何ですか
利潤を出せなければ、評価されないところですね。民間においては売り上げがないと成り立ちません。しかし、私の持論としてあるのは、良い仕事というのはお客様に尽くすということです。お客様の困っていることを自分たちの持っている技術で解決していくことが重要であり、お客様に尽くし、仕えることで評価されるものだと考えます。
利潤での評価だけではなく、お客様からの評価を大切に日々働いていらっしゃるのですね!
労働環境について教えてください
当社に入社してくれた従業員は、一生面倒を見る覚悟でいます。そのため、従業員1人1人の適正に合わせた業務ができるように取り組んでいます。合わないと思った業務であればすぐに変更し、従業員がやりがいを持てるように考えています。また、近年の就活生が重んじている条件の一つである、週休2日制を今年から完備しました。加えて、従業員に健康になってもらうための企業セミナーなども開催し、のびのび仕事ができるようにしています。
従業員の適正に柔軟に対応していくことが大事なんですね!
学生時代の良かった経験や学生にしておいてほしいことは何ですか
やはりアルバイトですね。就職する前に実際働いてお金を稼ぐという経験をすることが必要だと思います。また、働くことで、メモをとるなどの基礎的な労働姿勢が身に付きやすいので大事ですね。
まず実学的なことですね。食品のことを学ぶ際に、実際に作る経験をすることでより勉強になると思います。大学で学ぶような基礎学問も大事ですが、自分の強みをしっかり話すために様々な経験をすることが大事です。また、自分をアピールするなら、大学で何を勉強して、何を身に付けて、この会社を受けに来たのかという論理展開を起承転結で話せるような能力を培ってほしいです。話をするうえで、一貫性をもってほしいですね。
机上で学ぶことだけでなく、実際に自分で体験して学ぶことも大切なのですね!また、話の論理的一貫性が就活生に必要なスキルの一つということですね!
競合他社と比べた御社の魅力を教えてください。
圧倒的な技術力の差ですね。加えて、それらの業務がスピーディーに行えることです。私達は問屋です。問屋というのは一般的にメーカーの商品をそのまま小売に卸すということをしています。しかし、私達はメーカーがやるような技術的な仕事も引き受けます。ビジネスの世界で大事なこととして時間管理があり、スピーディーな仕事が求められます。メーカーと同程度の知識やノウハウを持っているので、時間的コストを削減することができています。メーカーには深い研究に専念してもらい、私達は中間技術者としてお客様にスピーディーに商品が行き渡るようにしています。
一般に問屋ではできないような仕事を引き受けることで、他社との差別化を図っているのですね!
御社はメーカー兼商社ということですが、その理由はなんですか
1つ目はメーカーでは小さなお客様を相手にしにくいということです。食品工場だけでは人手不足で小回りがきかなくなるため、視野を広げて多くのお客様と取引をするためにも、商社としての役割を持っています。2つ目は狭いニッチな要望に応えられようにするためです。他社ではできないようなものを技術力で解決しています。3つ目は問屋だけでは危ういということです。最近では、問屋不要論、つまり、メーカーと直接取引した方が安いのではないかという考え方があります。そこでメーカーとしての顔を持つことで生き残れるようにしています。つまり、様々な業務を兼ね備えることで、事業のリスク分散をしています。
メーカー兼商社という特性にも様々な理由があり、それこそが魅力になっているんですね!
働く上での楽しさを教えてください
開発という点では、実際に自分が設計したものがお店に並んでいるときですね。製造という点では、実際に行っている生産効率を上げて時間短縮できることがモチベーションになっています。
コネクトくん
そのようなことが仕事の楽しさに繋がるのですね!(自分が関わったものを身近な場所で見かけることが出来るのは素敵ですね!)
そのようなことが仕事の楽しさに繋がるのですね!(自分が関わったものを身近な場所で見かけることが出来るのは素敵ですね!)
共に働きたい人物像を教えてください
会社に依存しない人ですかね。会社は組織なので組織の一員にはなりますが、組織で埋没するのはよくないことです。言われたことをやるだけではなく、自己の人格を理解して、所属した先での自分の役割を把握し、その中で、自己主張できる人間が良いです。
コネクトくん
会社という組織に所属はしつつも、一人一人自立した考え方をすることが大切だということですね!
会社という組織に所属はしつつも、一人一人自立した考え方をすることが大切だということですね!
現在、日本国内では食品添加物への逆風というものがあると思いますが、実際食品添加物の製造をしている御社の展望を聞かせてください。
まず思うこととしては、食品添加物に対する誤解があまりにもひどすぎるということです。実際、食品添加物業界は縮小しておらず、むしろ伸びています。私達は慢性毒性試験というものを通した添加物の量を目安にして安全に使用しています。マスコミによる煽りなどで世の中に「食品添加物は危ない」という誤解が広まっているのです。私たちが厳正に管理した食品添加物を内包した商品の安全性について、もっと消費者に知っていただく必要があると考えています。
きちんとした基準を守っている食品に関しては、危険性はなく、むしろ食品ロスの削減だった理に役立っているということですね。また、どのような食材でも偏りなく食べることの方が重要ですね!
海外進出についてお聞きいたします。
① どこの国に進出するか、この決め手は何ですか
経営者としての勘ですね。行き当たりばったりではありますが、人と関わるにつれて必然的に導かれるものがあります。あとは度胸です。決めたら腹をくくって逃げないことです。やめない限りビジネスに失敗はないです。
② 海外展開の難しさは何ですか
海外進出において一番の障壁となるのは、言語や文化的なものではなく、現地の顧客ニーズをどうやって見つけるか、または顕在化することです。一般的に言われている言語や宗教の壁は、あまり影響しないですね。海外での需要を作ることや、2重3重の加工をすることで、付加価値のある食品を作り、成功したと考えています。
会社経営において、市場の分析や意思決定を慎重に行わなければならないだけでなく、思い切った積極性も必要なのですね!そこには、絶対に成功させてやるという強い起業家精神があることがうかがえます!
香川県への思いを教えてください
四国はとても穏やかで災害が少ないエリアで過ごしやすいです。また、香川県は、世界の旅行会社で紹介されたこともあり、海外から見ても行きたい魅力のあるエリアの1つということです。日本にいると身近で良さは感じにくいですが、私自身、過去に都会で働いた経験から、そこから地元香川の魅力を実感することができました。なので、生まれ育った良き場所で働いて暮らしたいと私は願っています。
香川県のポテンシャルは高く、香川県で働くことも魅力あふれる生活となりそうですね!
香川県民だけでなく、県外からの移住が増える政策を考えることがこれからの課題でしょうか。
最後に学生に向けた一言をください
前を向いて生きろということです。先の自分を見て、自分が何をしたいか、どういう人生を送りたいか、その中でどのような就職先を見つけるか、給与や待遇の違いだけで会社を見ずに、仕事の本質や意義を見極めてほしいです。
企業選びには、その企業に就職した際に自分が何をできるのか、どういう活動を通して貢献したいのかといった、自分と企業を照らし合わせてみることが基軸の一つなのですね!
以上でインタビューを終了させていただきます。
地元、香川県の企業として発展させるために、競合他社に負けないための考え方を垣間見ることができました。また、商品に付加価値を付与するために、技術力を駆使した製品開発を行い、商品の流通効率性を高めるためにメーカーと商社の二面性を持っていることが分かりました。この記事を通して、ハマダフードシステムさんの魅力を知っていただけることができれば幸いです。取材にご協力いただきました、株式会社ハマダフードシステムの皆さん、今回は貴重なお時間をいただきありがとうございました。
社名 株式会社 ハマダフードシステム | |
所在地 〒761-8052 香川県高松市松並町608-1 | |
設立 1970年5月1日 | |
資本金 1,000万円 | |
URL http://hamadafs.co.jp/publics/index/56/ |